狭い気管を支えるためにカニューレという管を喉から挿入し呼吸を確保する気管切開。
誰だって自分の体やこどもの体に傷をつけることは耐え難いのですが、命を優先するための処置です。
気管切開は健やかな状態を保つということがとても大変で、ちょっとした風邪でも吸引カテーテルが手放せないほど痰があふれ出たりします。
自分の痰で呼吸が苦しくなって嘔吐してしまう事もあるため、3~5分おきの吸引を何日も続けなければならないこともあります。
入浴にはもっとも気を配らなければなりません。
看護師さんから "浴槽のお湯は胸下まで、気管切開孔に絶対に水が入らないように” と教わります。
お湯が肺にまで入ってしまう事もあるからです。
まだ身体が小さなうちは、介助者が片手で支えて仰向けで素早く洗うことが出来ますが、成長するにつれ洗髪の仕方が変わります。
膝に乗せ美容室のようにあお向けスタイル、これも小学校3年生位が限度でしょう。
タオルを2重に巻く方法や、気管切開部より頭部を下げた状態での洗髪など、それぞれのご家庭で様々な工夫をして入浴しておられますが、気管切開孔やカニューレから液体が入ってしまうことが時折あるようです。
子供の成長と共に親も年を取り体力も劣ります。
成人の患者さんも同じように苦労をされています。
そしていつかは、誰かしらの介助を必要となることもあるかもしれません。
私たちネックガードフロンティアは、患者様もご家族様も安全に、安心して生活が出来るようになってほしいと願っています。